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June 26, 2007

ロボットたちの悲鳴

6月19日に渋谷で温泉施設が爆発して3人の死者を出した。このニュースを聞いて、わたしはなぜか「ロボットの反乱」を連想した。

米国のSF作家、アイザック・アシモフ(1920〜1992年)は「ロボットの三原則」を提唱したことで知られる。

第一条。「ロボットは人間に危害を加えてはならない」。
第二条。「ロボットは人間の命令に服従しなければならない」。
第三条。「ロボットは自己を守らなければならない」。

この三原則に違反すると反乱と見なされるのだが、温泉と一緒に出てきた天然ガスの爆発を、なぜ反乱と連想したのか。話は少し遠回りになる。

狭義のロボットとは、「鉄腕アトム」のように人間の形をした自動機械をいう。しかし、範囲を広げて、コンピュータで制御された自動機械そのものをロボットとする考え方もある。

最近、その自動機械型のロボットが人間を死傷させる事故が相次いでいる。

震度7の建築経済学(第19回)[細野透氏]/SAFETY JAPAN [コラム]/日経BP社 から2007年6月25日5時34分に引用


自己修復機能を持たない現在のロボット達は、人間がメンテナンスをしてやる必要がある。だが、現実はどうだろうか。自家用車のみならず、不特定多数の命を載せている機械においてさえ、日々のメンテナンス経費を惜しみ、「故障してから修理すれば良い」あるいは「壊れたら交換すれば良い」と軽視する経営者や経理担当者は多いのではないだろうか。

私とて偉そうな事は言えない。───最愛の“初号機”ミストラルの後継となった“インギィ”こと、我が愛車ウイングロードのカーナビには、「メンテナンス情報」という記憶領域が搭載されている。
前回オイルを換えたのは…タイヤ交換したのはいつか…これだけ走ったらこのメンテが必要…と、トリップメーターと照らし合わせて知らせてくれる。ここしばらくは、「オイル交換時期です」との警告に余念がない。───が、走り始めるとすぐにその表示をオフるのが私である。早く変えてやらねば…とは思うのだが、なかなか機会が取れない。

そう、これだから現在のロボット達は浮かばれないのだ。“第三条「ロボットは自己を守らなければならない」”と言われても守りようがなく、ついには最悪の結果=第一条項違反、という大罪を犯してしまうからだ。

記憶に新しいエキスポランドのジェットコースター事故についても、“風神雷神”をロボット(自動機械)と見立てたこのコラム氏は、こう判断している。
「第一条に違反したことは事実だが、責任は管理者側にあるのでロボットは無罪とする。ただし、明確な管理体制が確立されるまでは、使用禁止処分とする」。

建築・住宅ジャーナリストであるコラム氏はこう結んでいる。
自動機械であるのならロボットの三原則もクリアさせてあげたい。それが、人間のロボットに対するマナーだと考えたい。  上司が部下を思いやり、部下が上司を思いやるのでないと組織は滑らかに動かない。自動機械を、心を持たない単なる物として扱うのではなく、人間を支えてくれるパートナーとして遇するぐらいの気持ちがないと、今後もロボットの反乱を抑えられないのではないか。

理想論だ。しょせん、人間が人間を思いやれない組織からは、ロボットを思いやる環境が生まれるはずもない、というのは極論に過ぎるだろうか。

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