アニメ・コミック

2008.06.08

原稿紛失、と、いうこと

「いくらでも怒るがいいわ。あんなつまらない原稿なんか、もう出ないわよ。」
 エミイは、どうにでもなれというような、いいかたでした。
「どうして!」
「あたしが焼いちゃったから。」
「なに? あんなに苦労して、おとうさんがお帰りになるまでに書きあげるつもりの、あの大切な原稿を、ほんとに焼いたの?」
 ジョウは、まっさおになり、目は血ばしり、ふるえる手でエミイにとびかかりました。
[若草物語/ルイザ・メイ・オルコット/青空文庫版 より]

───この後、エミイの横っ面をいやというほどひっぱたき、屋根裏部屋へ飛び込んで号泣するジョウの心境。なんですか、「物書き娘」だったら恐ろしいほどよく分かるかと思いますわ。

週刊少年サンデーで長期連載されていた人気漫画「金色のガッシュ!!」のカラー原画を紛失されたとして、作者の漫画家雷句誠(本名・河田誠)さん(33)が6日、出版元の小学館に330万円の賠償などを求め、東京地裁に提訴した。

「金色のガッシュ!!」原画紛失で賠償請求 - 社会ニュース : nikkansports.com から2008年6月8日5時49分に引用

テレビで最初に見た時には、秋葉原でインタビューに答えて「よくある事っすよね」としたり顔で言ってのけたオタクが居たが。
よくあっちゃたまらんのである。
ましてや、聞き分けがなくわがままな小さな妹などではなく、社会的に責任も負った編集者が、「なくしました(てへっ☆)」では済まんのだ。
だが、まあ、「物書かぬ者」にはこの苦しみはちと分かりにくいかも知れない。
そういう私も、二度ほどそんな経験がある。

記憶に残る一度目は、高校時代だ。大学ノートにシャープペンシルと国語辞典でチマチマと書き進めていた頃。
「読ませて」というので貸していた友人が、トラブルに巻き込まれた。
相手は腹いせに友人のカバンを盗み、その中身を近くの河原にバラまいたとか、違うとか。なんにせよ、私の『原稿』もその中にあったのだ。相手にそれが借り物か否かなんて区別がつくはずもない、それどころか、借り物ならなお一層かの女にダメージを与えられると考えたかも知れない。どちらにせよ、まあ、私の書きかけ原稿は「川の藻くずと消えた」のだ。
当然、友人は謝った。私も、そんな手合いと関わり合いになりたくないというかの女の心境も分かるから、それで済ませた。
「青春のほろ苦い一ページ」というやつだ。

もうひとつは、初めて自分用のワープロを購入した大学時代。表向きは卒論用だったが(いやMyゼミの教官は当時からワープロ派だったので必要ではあったのだが)、むろん小説もそれで書いていた。
ぶっちゃけ、まだワープロが珍しかった時代だ。同じく大学生だった従兄弟と愚弟が、「試させて」と言ってきた。───そして数十分後、どういう偶然が重なったのか、小説全部を収めていたフロッピーディスクが「読み取り不能」になったのだ。
今のパソコンと違い、当時のワープロはユーティリティソフトなぞ積んじゃいない。「読み取り不能」は即、「あきらめろ」ということだ。
ブチ切れた私は愛用のルーズリーフファイルを机に叩きつけた。原因が分からぬ以上、従兄弟も弟にも責任はない(多分)。あわれ怒りをぶつけられた無印良品のルーズリーフファイルは、金属部品がひん曲がるほどのダメージを被った。
その音を聞きつけた両親が、何事かと訊ねた。訳を話すと「そんなに怒らないでも」と言ったのが母、「バックアップを取っておくものだ」と言ったのが父だ。が、当時のフロッピーディスク1枚は、私の懐具合では予備を買うのもはばかられるほど高価だった。1日の可処分所得が135円75賎(昼食込み)、なんて言っていたほどだから、5枚セットで数千円のFDがそうそう買えるはずもない。───それ以上に、私を諦めさせたのが、「なんでそんなに怒るのかが分からない(苦笑)」という言葉だ。

 
仕事をするようになっても、貸し出したポジフィルムが「行ったきり」なんて事もあった。知りあった印刷業界の重鎮にも「そんなもンだよ。編集なんてヤツは信用しちゃならねェ。ちゃンと複製をとっときな」と諭されたもんだ。
 だから、某編集氏も「接写したフィルムも残ってて、単行本を出すのに何の支障もないのにサ、紙切れ数枚で激怒しやがって小せェ奴だ、稿料3枚分で大人しくしてりゃいいものを」とか思ってんじゃないか、とか考えてしまうのが、「物書き」である。「原稿」はただの「紙」や「記録媒体」じゃない。その中に「物書き」の「心血」が注ぎ込まれている。それを軽々しく扱うというのは、すなわち、物書きを軽々しく扱っているのと同じである。
 田辺聖子さんの自伝的小説でも、田辺氏の原稿を「ひったくられた」秘書嬢が「センセの原稿を盗られるとは、アタクシには秘書の資格が御座いませン、かくなるうえは、辞めてお詫びを申します」と涙する場面があった。どの編集氏も、いっそこのくらいの覚悟で原稿を扱って欲しいのだ。
スタイリストやスポンサーから借りた宣材の扱いにはビクビクするのに、ライターや絵書きの原稿は「あれ?」じゃあ、たまったもんじゃないのである。

訴えによると、雷句さんは小学館側に原画を貸していたが、連載終了後、カラー原画など5枚が紛失していることが分かった。小学館側は原稿料(1枚あたり1万7000円)の3倍の賠償額を提示したが、雷句さん側が客観的な価値を探るために同様の作品をオークションに出したところ、平均25万円で売買されたという。

会見した雷句さんは「私が小学館側の金額で判を押せば、自分より若い漫画家が何も言えなくなる」と話した。漫画に「美術品」としての財産価値を求めた裁判は例がないが、代理人は「美術館に展示されるなど、美術品としての扱いが一般的だ」と指摘した。

金色のガッシュ!!:作者の雷句誠さんが原画紛失の小学館提訴(まんたんウェブ) - 毎日jp(毎日新聞) から2008年6月8日6時38分に引用

そうだ。
漫画家を「使い捨て」にする最近の大手出版社。これだって、原稿を軽々しく扱うことと無関係じゃない。
そして、どこかで誰かが声をあげなければ、この風潮は変わらない。
がんばれ、雷句誠。応援するゼ。

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2006.08.04

トレス台が欲っしい♪

…最近、なぜか会社で文章だけではあきたらず4コマまんがやカットイラストまで引き受けてしまっているワタクシ。ここまで来るとやっぱりトレス台が欲しいよなぁ…と思っておりました。
そこで楽天でウロウロ探すのですが、価格が…面積が…でもカッティングOKなのは嬉しい…いやしかし…と悩んでいたら。

まさに今日、最適とおぼしき品が楽天の共同購入に出てました。

らんぷシートB4新品!共同購入がナントこの価格から!!
らんぷシートB4新品!共同購入がナントこの価格から!!

超高輝度無機EL採用で厚みわずか5,5mmって、なんですかこの薄さ。

スタート価格、いちまんろくせんえん…って 即クリック。

いや、これは有り難い! 何でもデカいバッグに入れて持ち歩くクセのある私には! たぶん丈夫! しかも角度を選ばない!(投稿原稿じゃないから、B5タテとかA4とか、好き勝手な用紙に描いてるんだよね) うわぁ、ホンマありがたいわぁ。なに?電源アダプターが終始ビーと鳴く?そぎゃんこと良か良か!いっちょん気にせん!(たぶん)

…そんなわけで益々、iMacへの道が険しくなっている今日この頃…

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2006.03.31

アニメ「蟲師」の主題歌(DVDが来た)

桐生が、『蟲師』のDVDを買いはじめた。当然(?)、視聴は我が家で、である。今日は限定版第弐集が届いた。感謝。

原作付きアニメにはかなり辛口の桐生だが、これは「良い!」と絶賛している。私は、雑誌「CG World」でメイキング記事を読んで「これは良さそうだ」と思っていたので一安心。ゆったりと見ている。

で、アニメ「蟲師」の主題歌が気になったので何気なくiTuneで検索したら。
ありました。Ally Kerr の「The Sore Feet Song」Ally Kerr - Calling Out To You - The Sore Feet Song
捜してみるもんだねぇ。

で、今日のiPod。
Ally Kerr「The Sore Feet Song」>Dan Gibson 「Timberwolves(森林狼の吠え声によるハーモニー)」>Enya「Aldebaran (The Celts より)」>ハイラ・モンピエ「QUE TE PEDI」>Bonny Pink「He(evil and flowers より)」>SMAP「Happy Train」>映画『紅の豚』より「アドリア海の青い空」>NHKスペシャル『大モンゴル』より「メインテーマ『蒼き狼』」>「武寧之曲(韓国古来の宮廷音楽)」>Shikisha「Khuzani(メッセージ色の強いアフリカンポップス)」>「ピラエウスの浜辺で(ギリシャの民族音楽)」>「Chohun Gyamadudu(アフリカの民族音楽)」>難波弘之「虎よ!虎よ!(同名SFのイメージソング)」>クラシック「Von Der Grossen Sehnsucht」>絢爛舞踏祭OSTより「敵対都市(淡々としたサスペンスフルな曲)」>Enya「The Sun in the Stream (The Celts より)」>上妻宏光「Curfew(BEAMS より)」>Enya「Afer Ventus(Shepherd Moons より)」>Enya「The Celts」>朝瀬蘭「Dream(Pray for the sea より)」

歩き疲れた頃に、森に入り込み夜がきて狼が啼き、空にはアルデバランが輝く───なんて感じで、大陸や都市を旅して、最後には海に出てしまいました(波の音で我に返った)。
今日のも、すごく気持ち良いシャッフルでしたw

ちなみにSMAPの「Happy Train」は、iPodのお気に入りらしく、シャッフルのたびに何故かかかります。元気づけてくれてるのかなぁ?

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2006.02.10

重症。

仕事がら、1日テレビを見っぱなしとは前にお話ししたが、今日なにげなくTVに目をやった瞬間、何が映ってるかと考えるより早く「ヤガミに逢いてぇ!」と思った(「絢爛舞踏祭」の禁断症状)ってのはいかがなものか。

・・・いや、映ってたのはテレ東はテレ東でも「ロックマンエグゼBEAST」だったんだけどね・・・ハネ髪メガネの男性キャラを見ての条件反射らしい。

重症。

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2005.03.10

萌えは力だ。

大学入試や英検のために「もえ単」を買った人と、『倫敦帰り』という設定のMy主人公を擁する九龍のSSのためにこの本を買った私。果たしてどちらが・・・、とは、桐生の弁。

ネイティブはたった100語で話している!

ちなみに、か〜な〜り、面白いです。目からウロコぼろぼろ。

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2005.02.19

「監督不行届/安野モヨコ」

「監督不行届/安野モヨコ」
相方が買って持って来た。

「美人画報」「美人画報ハイパー」は以前、何を血迷ったか私が買って周囲に勧めまくっていたのだが。これは、アンノ監督とアンノさんのヲタクでラブラブな夫婦生活を綴ったエッセイ。いやビックリ。
コドモ(あるいはヲトメ)のような夫『カントクくん』の無邪気さと、それを叱りつつ、あるいは心配しつつ、『男らしい やさしさ』で支える妻『ロンパースちゃん』の構図はまさに『姫とじいや』。『筋金入りのオタク』の夫に呆れつつ、しかし『実はオタク』の妻もだんだんとそちらの世界へと・・・という部分があまりにも親近感。


私はモヨコさんの『マンガ』を読んでいたわけでなく、しかし純粋に「美人画報」「美人画報ハイパー」のテイストと、そこににじみでるモヨコさんの人柄が好きで。
化粧なんてどうでもいい、と思い続けて幾星霜。着ている物はマニッシュテイスト、声低く態度デカく文体たくましく(?)、およそ「女らしい」とか「女子のヨロコビ」と無縁のこのワタクシですら、「・・・ちょっとやってみても楽しいかも」と思わせた「美人画報」は、なんだかとても元気が出るエッセイだった。
今回「監督不行届」で庵野監督が曰く、
「───(前略)嫁さんのマンガは、マンガを読んで現実に還る時に、読者の中にエネルギーが残るようなマンガなんですね。読んでくれた人が内側にこもるんじゃなくて、外側に出て行動したくなる、そういった力が湧いて来るマンガなんですよ。現実に対処して他人の中で生きていくためのマンガなんです。(巻末の『庵野監督、カントクくんを語る』より)」という言葉に、それ故まさに共感。
「───(続き)嫁さん本人がそういう生き方をしてるから描けるんでしょうね。『エヴァ』で自分が最後までできなかったことが嫁さんのマンガでは実現されていたんです。ホント、衝撃でした。」という言葉に、あぁ、モヨコさんもカントクくんを愛してるし、カントクも不器用なりにモヨコさんを守っているんだなぁ、と。
クリエイター同士が、作り手としての互いの部分までを尊敬しあって、夫婦になるこの構図。いいなぁ。いっそ羨ましいですわ。いつまでもお幸せに。んで、時々はちょっとその幸せを覗かせて下さいな、と思うのでした。

こちらもどうぞ。美人画報ワンダー

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2005.01.05

最近聞いてるMusic

〈ANIMEX 1200シリーズ〉で、¥1,260 (税込) で「未来警察ウラシマン」の 音楽集が1〜3とも出ています。
嬉しいなぁ、こういうの。そういうわけで、最近 通勤時のカーステはもっぱらコレなのです。
いいねェ、80年代のアニメ音楽って。このアルバムは、ジャズ(特にフュージョン)好きな人には良いかも。「太陽に吠えろ!」風の、いかにも刑事モノなサスペンス・サウンドもたまらんし、他にもディスコジャズやボサノバ、サンバなど・・・運転中、ノリノリです。
それにしても、音楽の原体験って、最近のヒトはたいていアニメなんじゃないか、と思ってしまうなぁ。好きだったアニメのBGMがどんなジャンルだったかで、相方と私の音楽の好みは分かれているのですわ。相方はロックやクラシック、私は「ルパン三世」の大野雄二氏の影響でジャズやラテン。それにSFの影響でテクノ。
80年代サウンドなんだけど、「いかにも打ち込み」って感じじゃなくて、でもシンセの音がいまよりちょっと丸かったりして、なんだか楽しいです。

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2004.12.27

元気になれるDVD−3。

冬休み・コタツでビデオ第3弾。
「お茶犬・ちょこっと物語」。
毎日、のほほ〜んとしているお茶犬&お茶猫の絵にも癒されますが、なによりクリステル・チアリ(「クリスの英語で知アリ」の、あの子ね。クロード・チアリの娘だっけ)のナレーション(ひとり語り)がうまいのッッ!!! 可愛い声だけどイヤミがなくて、耳障りじゃなくて、ありがちなアニメ声でもなくて、なんとも・・・

いろんな性格のお茶犬&お茶猫たちが、そのうち身近な誰かさんに見えてきたりして・・・(^^)

そんなわけで、ウチに泣き虫さんのチビッコが来た時には、たいていコレです(「ニルスのふしぎな旅」でも泣いたっけなぁ、あの坊やは)

1杯めだけじゃなく2杯めもあるよ。

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2004.12.26

元気になれるDVD−2。

冬休み・コタツでビデオ第2弾。DVDのひそかなタノシミの続き(いや、そんなヒソカでもないが・・・)

「紅の豚」のフランス語版では、ポルコ・ロッソの声がジャン・レノだったって知ってました・・・!?
あの渋い声で気だるげに「Oui・・・?」なんて電話に出られた日にゃあ、これだけでDVD買って良かったと涙したものです。
しかしねぇ、「なに、オシッコ? その辺でしなさいッ」なんて台詞をあの顔で言ってるかと思うと・・・プププッ(^.^)
いや、じぇんじぇんフランス語わかんないんだけどね。

ところで、インターナショナルVer.を作ると台詞まわしに苦労するとボヤいていたのは押井守監督ですが、「攻殻機動隊 Ghost in the shell」を英語で見て「確かに、そうなんだなぁ」と思いました。暗記するまで見た方は、『あれ、ここにセリフあったっけ?』というカットがあると思います。国外で見て不自然だ、あるいは説明不足だと思われるシーンを台詞で補っている場合がほとんどだと思うのですが、草薙が装甲バンの中でリポルバーにこだわるトグサに言う「援護される身としちゃ、好みより実行制圧力を問題にして欲しいわ。ヤバい目にあうのはアタシなんだから───。ツァスタバにしなさい」という台詞の後に、日本語ではトグサの返答は「・・・・・」ですが、英語だと「Yes、Sir」という承諾が入ってるんですね、これが。『少佐』の説教を『上官命令』ととる外国人なら、ここで「はい」と言わねば不自然、ということでしょうか。他にもいろいろありますから、ぜひ見てね。

そういうワケで、「ルパン三世・カリオストロの城」を英語で見るのも面白いよ(^o^)/

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2004.12.25

元気になれるDVD。

先日、地上波でON-AIRされたので書いてみる。冬休みだしね。コタツでビデオ。

「天空の城ラピュタ」。もう説明はいりませんね。ジブリ作品の中で一番好きです。
でもって、DVDで何が楽しいかって、外国映画のように楽しめる事でしょう。試しにこれを、音声:英語/字幕:日本語で見てみてください。
暗記するほど見た人なら、字幕もいらないかな。そうすると、脳内二重音声で楽しめます。
ドーラ役の女優さん(英語)が、初井言栄さんそっくりの声質で上手いんですよ! 「エマージェンシー!」とか「スターボード!」とかの船舶用語がホイホイ出て来るあたりも、翻訳家、やるな、とニヤリとさせられます。
シータの健気な「はいッ!」という返事も、「Yes」だけじゃないんだぁ、と勉強させられます。

かなり笑えたのは自動車での追跡シーン、ドーラ一家のヘタレ息子の「ママ、落ちる・・・!」は、さて何と訳されているでしょう? (^.^)

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